2012-05-10-Thu-00:43

【 SF映画 】 『宇宙兄弟』★★★★

『宇宙兄弟』を観たのですけれどね、これは大変面白かったですね。こういう兄弟の描き方もアリだなあと、ありそうで、なかったなあと。兄弟とは、互いに刺激し合う、最高の競争者であり分身なわけです。いや、正確には、そうあるべきというか、そういう間柄のはずなんですよ。…うちは、違うけれども!そ。それでですね、そういう間柄を、さらに、「離れたところにいるのに、通じ合っている」という描き方をしているところに、こういうのもあるんだなあと感心したんですね。

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劇中に、「兄とは、常に弟の先を行くものである!」という文句があるんですけれど、そうですね、それは、意識しますね。僕もお兄ちゃんなのですが、身近だからこそ、スタート地点もスペックも近いはずのアレには負けたくないと、すごく思いますし、だからって、引きずり下ろしてやろうとは思わないんですね。応援したいし、助けが要るときは手を差し伸べるわけです。当然に、不思議と。つまんない言葉を使うなら、これが絆というやつなのでしょうね。

僕の弟がですね、学校ではホント優等生で。運動も勉強も良くできて、成績は5しかもらわないような奴で、生徒会とか立候補したりして。とにかく平凡で目立つのが嫌だった僕はですね、「お兄ちゃんもしっかりな」「弟はすごいのにな」と、何もしてないのに励まされたりケツ叩かれたりして気持ちが悪かったですね。
一方、おうちではですね、弟は何にもできないやろうとしない、思い通りにならないと家具を壊す怪獣に変身するのです。ほとんど二重人格、おそろしい奴です。そんな弟のお尻を拭いてあげないでいると、「お兄ちゃんがしっかり見てやんねーとな」「弟のために我慢しろ」と、指導されたりして気持ちが悪かったですね。ふわ!ずっと気持ち悪いじゃないですか!
これじゃなんというか、「兄とは、常に弟の先を行く(のが普通という世間様の風当たりがつき)ものである!」という、受動的なニュアンスではありませんか。しっかりしろ兄弟!

『宇宙兄弟』はその点、きれいな構図が出来上がってるので気持ちいいです。たぶん、人間的に魅力があるというか、オトナなのが、兄のムッタ。少年の心のまま、真っ直ぐに成長したのが、弟のヒビト。抱いた夢を理屈で収め込んでしまっていたムッタを、同じ夢を追って実現させたヒビトが、刺激して再出発へと引きずり出していくんですね。兄が弟に夢を与えた、そのお返しに、弟は兄に可能性を示しチャンスを与えるんです。
うちでは今、弟に初めて彼女ができたというのですけれど、これが本名も分からない会ったこともないチャット相手だというのです。先を行かねばならない兄としては、とっとと彼女を作って恋仲かくあらん!と見本を示すのか、チャット相手の女子大生の正体は危険なオジサンでしたと失敗談を報告すべきなのか、それが…や、そんなのどっちも問題ですわ。とりあえず自撮りヌード写真をせがむのだけはやめて貰うとしましょう。…『宇宙兄弟』って、「夢のある話」というよりは、「夢みたいな話」なのかも。

そんな外のモヤモヤはさておき、小栗旬、岡田将生、堤真一、それとムッタ少年役の子役。とっても上手いですしね、画の力もあって、良い映画だと思いましたよ。これは美しき兄弟の映画なのですよ!
うちのは、もっと『ザ・ファイター』寄りの、それよりずっとリスペクトが薄い感じってしょーもないよそれイケナイ!しっかりしろ兄弟!(2回目)

では、またお目に掛かりましょう。
2012-05-01-Tue-00:51

【 コメディ映画 】 『テルマエ・ロマエ』★★★☆

今回は『テルマエ・ロマエ』という映画を観てきました。とても楽しかったです。タイムトラベル物の王道をなぞって、笑いあり涙あり、キレイにまとまっていました。

【前置き】
以下の記事は、ネガティブな印象を与える構成になっていますが、僕はこの映画は好きです。でも背景に闇を見てしまっただけのです。幻覚かもしれません。
【前置きおしまい】


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革新的なテルマエ(浴場)を造ろうと悩む、古代ローマの建築家ルシウスが、現代の日本へタイムスリップして…。というお話で、メインキャラクターのローマ人を、日本を代表する彫りの深い俳優が演じるという、それを聞いたときにはもう、お客を呼ぶにはやっぱりテレビで知られているような俳優を使わなきゃいけないんだろうけど、そうかぁ…、と思ったのですが、
阿部寛
市村正親
北村一輝
宍戸開

というキャスティングを知って「濃いことは良いことだ」とコロッと改心したのでした。日本人が演じたからこそできた遊びがあって、それが一番笑えたのも良かったですね。

広く勧められる娯楽作品。
一方で、これだから日本はーなんて、思ってしまう部分も見えてくるような作品でした。

基本的には、平たい顔族(日本人)の文明にビックリするルシウスのリアクション芸。そしてアイディアを持ち帰り劣化コピーでのし上がるサクセスストーリー。ここは愉快です。どこかの国とちがって開き直らず、「俺、まるで中国じゃん!」と苦悩する職人気質な夢追い人のドラマもありますが、その辺はナアナアになります。
原作を縮めて丸めるだけでお話を組み立てているとしたら、ルシウスに鼻で笑われますよ。ルシウスなりに創意工夫してみたものの、日本の技術が更に上を行ってギャフーンちくしょー。みたいなのをユーモラスにやったりして、「ほんとにちゃんと能のある人なんですよ努力家なんですよー」っていうのを見せないと、自己不信から上戸彩(平たい顔のヒロイン)から「あんたはアイディアマンだと思うよたぶん」って言われたくらいで立ち直るのには違和感があるんですよ。

もうひとつ、踏み込まない。はみ出さない。

下ネタが中途半端で臆病なところなんかも、できないならいっそ、やるなよって思ってしまいましたね。気を遣ってますよね、角の立たないものにするために。商売としては堅実なのかもしれないのですが。創意を施すのを諦めちゃ、いませんか。と。原作のアイディアからすると余力があるだろうと、思えてしまって。
小綺麗と言えば、そうなのかもしれないのですが、ファミレスの味なんですよね。作り手ばかりのせいとも言えないのですけれど。むしろ観る側が、土壌が、貧相ですよ。テレビしか観ない人をいかに映画館に運び入れるかっていう…、その、ソフトさと取っつき易さに徹して、ライトユーザー向け、万人ウケを狙った結果の薄味っていうんですかね、観客はバカにされてるんですよ。だってホントにそういうのが当たるんだもん。
映画館で映画を観る、ということが当たり前でない国ですからね。人と話をするごとにその思いは強くなりますね。しばしば映画館に行く、と知られてしまったときの、相手からの蔑みの眼差しときたら。何なのですかあれは。風俗狂いの先輩に「つまりあれだ、お前は気持ち悪いってことだな」なんて言われる筋合いはないですよ、この、変態野郎!ちんぽもげろ!陰気なオタクで一括りにされてしまうんでしょうね。むーん…それは間違ってないですけど。

とにかく、そういうマジョリティに合わせるのがデフォルトになっちゃうわけで。職人じゃ、やっていけないんだと思うんです。映画の中で、「日本人=自分を犠牲にして周りに合わせる」みたいな描かれ方されていて、皮肉だなぁと思いましたね。奴隷気質なんですかね。ビビリ屋さんと、すごーく受け身で動物的なのが「大衆」なのではないかなと思いますね。

ところで、「300」ってカナ入力モードでタイプすると「あわわ」ってなるんですよ。スパルタ人ならペルシャに宣戦布告するところを、平たい顔族ときたら!とか言いながら僕も例外でないので、あとで『ブレイブハート』とか観て自己暗示でも掛けますかね。

それでは、またお目に掛かりましょう。
2012-04-21-Sat-12:12

【 ドラマ映画 】 『トゥー・フォー・ザ・マネー』★★★☆

今回は、『トゥー・フォー・ザ・マネー』を観ました。実話を基に、スポーツ賭博の裏側を描いた映画です。

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この映画はですね、けっこう曲者だなと思うんです。スポーツ賭博の予想屋の話で、おまけに実話ベースですよ。華やかさの裏の闇ですとか、挫折と再起なんかを見せてもらえるものだと予想しますよね。し、しませんか。
ところがですね、そんな風に目線を固定して観ると、騙されるというか…いろいろ不安にさせられるんですよ。作中に、予想屋のスランプが心境の変化のせい、みたいに捉えられる流れがあるんですね。でも、賭博なんて運じゃないですか。なので、「えっ、オカルトですか!」「この映画、まちがえちゃったかな…」って。それがラストまで引っ張られるから、気持ち悪いの。

でも、この映画、ちがうんです。ちゃんとしてたんです。擬似親子ものだったんです。ジャンル詐欺ですよ。こっちの勝手な思い込みのせいなんですけれどね、こういう騙され方もあるんだなあと、思いましたね。結果、好きな映画なのですが、こういう騙され方は別に気持ちよくないですね!いや、僕のせいなんですけど!

ある意味、結末が読めない映画。勝手にレール敷いちゃって、別のところに注意をもってかれて。主人公が予想屋の星になれたのは、鋭い分析力あってこそ。これをすっかり忘れてました。ギリギリの賭けで、彼が得たかったものは何だったのか…。ちょっと温かいような、切ないような、良いお話じゃないかと思いましたね。偏見なしで観たとしても、そこまでやる必要ないんじゃ…っていう部分もあったりするんですが。…褒めてるのか悪口言ってるのか、よくわかんないですね。

果たして、どこまで意図されて作られていたのかは分かりませんが、とりあえず、下手に構えずに映画は楽しみましょう、という教訓になる一本だったのでした。なんだか、感想というより、素直に観れなかった理由書みたいになっちゃいましたね。
では、またお目に掛かりましょう。
2012-04-11-Wed-18:10

【 ロマンス映画 】 『ラブ・アゲイン』★★★★

お久しぶりです、が恒例になってしまいそうで嫌です。機械に疎い人のパソコンが壊れると、こうなってしまうのです。
今回は、昨年見逃した『ラブ・アゲイン』(原題:Crazy,Stupid,Love )をDVDで観ました。ジャンル的には、僕が大嫌いなロマンス寄りのラブコメです。ワタクシ、美男美女がてきとーに出会って さっさとエッチして永遠の愛を語って 70分くらい再生したところでケンカして 結局愛してる。なアレにはお反吐が出ますの。
でも、『ラブ・アゲイン』は良かった、良かったんです。ラブ・アゲイン!(見直した・ぜ!)

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構成がたいへんうまくてですね、最後にドタバタ劇になっちゃうのとか、最高に笑ったのですけれど、なにより人間関係が不器用で不完全であるというところが良かったですね。
愛とか、恋とか、よくわかんないし、ちっともうまくいかなくて、おかしな方向によじれていって。納得できないから、納得させられるというか、なんというか。シンプルにいかないからからこそ、スッと入ってくるところがありましたね。美談に押し上げずに、登場人物の愚かさを強調していてビターなのも、いいです。当たり障りのない人だとツマンナイって言われて、このままではいかんと吹っ切れて、うまくいきだしたら、ズブズブとハメ…や、ハマって身動きできなくなったりですね、めんどくさくって、醜いったらもう。
ばかだなあ嫌だなあ、って言いながら、いちゃついてる奴らに対して劣等感を感じないで観ていられるから気持ち良かったというのも、あるかもしれませんね。ヲタクが「リア充爆発しろ」なんて呪う前から、呪われてますよ。CrazyでStupidな、病気なんですよ。それでも嫉妬するのですか。魔法使いになりましょうよ。ねえ。

それが「愛」ならば、充実しているのでしょうけど。なんて、唇もげそうですけど。

キャストがまた良いんです。
ライアン・ゴズリング、ほんと器用。これから、この人が時代を作るのかも、と思うとわくわくしますね。エマ・ストーン、キャリア輝いてるよー!マリサ・トメイ、脇を固めるってこういうことね。あなた方、いいドラマ映画の素ですか。という感じ。そして、ケビン・ベーコンも、ぶれずに軽い。主演のスティーヴ・カレルの、奇声を発するリアクション芸が見れないのに気にならなかったあたり、作品の完成度に満足できたいうことなのかもしれないなあと改めて思ったり。

ラブコメが茶番だと思っているあなたへ。おすすめです。
それではまた、お目に掛かりましょう。
2012-03-16-Fri-11:55

【 サスペンス/スリラー映画 】 『シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム』★★★★

バディムービーはいいものです。
反発し合う個性、水と油の間柄、いい出だしですね。それで実は似たもの同士、距離感がちょうどいいですね。毒を吐きあえる仲、理想的です。
そして、一線を超えて、しまうと、ボーイズラブとかなんとか、言われる代物になるわけですが、それもまた、いいものです。でも、僕がいちばん好きなのはブロークバック山産の愛ではないんです。腰をブローバックしないで、それと匂わせるほホモえましい関係が理想なのです。ええ、僕はホモ映画が大好きなんですよ。TSUTAYAにワンコーナー常設して欲しいくらいですよ。
僕の中で暫定首位のホモ映画は、『アパルーサの決闘』であったわけですが、これに匹敵する作品に出会いました。『シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム』(以下『ホモムズ』)です。

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前作のホームズとワトソンについて、ホームズ役のロバート・ダウニーJr.が「ゲイっぽいよねー」と発言したことに、コナン・ドイルの子孫が「うちが売ってるのはゲイ小説じゃない!」と怒っちゃって、これ以上露骨にホモホモした物を作るつもりなら下ろす!みたいなこと言ってたのがニュースになってたような気がします。しかしこれはどういうことなのでしょう。『ホモムズ』のホームズとワトソン、ぜったいやってるってば!

ホモだゲイだとばかり言ってますが、ちゃんと前作より面白くなっているので、腐っていない方々にもおすすめできる一品でございますよ。
今作はホームズのライバルとなる知能犯モリアーティ教授が、ホームズやワトソンを標的にしたりもするので、アクション満載、たいへんスリリングなのです。また、前作同様、ホームズの思考がビジュアル化されているわけですが、ホームズの分析眼の冴える場面が割増になっていて楽しいのと、「この場にいる人頭いいから分かるでしょ」「今は説明してる余裕ないでしょ」ていう感じで益々説明が簡略化されていてテンポが良かったですね。
しかし、ミステリーを見たい方には、いまいち……モリアーティ教授ってばお金も手下もいっぱいお持ちですから、犯罪にはトリックよりかはヤクザな攻めを用いるので、そうですね、なんか、マフィア映画みたいでしたよ。
僕はホモアドベンチャー映画を観に行ったので概ね満足なのでした。

ワトソンを吹き矢で射て遊ぶホームズ、酔ってフラフラなワトソンを引っ張って式場に連れてくホームズ、ワトソンの結婚に憂鬱なホームズ、「君が来ると信じてた!」と涙ぐみながらワトソンの手を固く握りしめるホームズ、密着してダンスする二人、そして、女装したホームズの服を鼻息荒く破くワトソン……これがホモムズだ!

ではまた、お目にかかりましょう。
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