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2012-06-23-Sat-20:26

【 ロマンス映画 】 『最低で最高のサリー』★★★★☆

『最低で最高のサリー』という映画を観ましたが、これは今年いちばん心を揺さぶられましたね。決して傑作ではないと思うんですよ。表面的には、静かで、わりと予定調和な、青臭い恋愛映画ですよ。なにが特別だったかというと、主人公ジョージのキャラクターなんですね。

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人間は孤独に死んでいくということを分かってどうして、無駄なのに、嫌なことを、耐えて、生き長らえなきゃいけないのか。高校3年生のジョージは悩み、何事にもやる気が出せなくなっているんです。とは言っても目も当てられない不良学生かというと、そうではなくて、むしろ、まじめなんですね。真っ当な人間ではありたいけれど、無駄と思えることに時間を割きたくない。だって結果はどうあれ無意味なんだから。そういう子なんです。
そういうのは、本音の部分もあるのでしょうけれど、一方で、自信がなくて、生きることが怖くて仕方がないんですね。だから、痛い失敗だけはしないように言い訳をして、面倒を避ける。何かやろうとしても、うまくいくかどうか不安で、あんまり期待もできないから、一歩おくれる決断。それがいつも、いまいちな結果になる。何度かがっかりして、分かっても、それはどうにもならない。悪い意味で理性的、それがむしろ本能なビビリ野郎だからです。

僕もです。いや、これ、ほとんど僕のことです。

主人公にこんなに自分が重なるなんてことなかったという、超個人的なところなので人にすすめるような映画かというとまた違うような気もするのですが、僕はもう、内側をえぐられるような思いでした。ジョージってば、趣味は絵を描くことなんですね、そのへんまで通じちゃうと、もう他人とは思えなくなってしまいますよ。でも大きく違うのは、僕は長いものに巻かれてきたけれど、ジョージはちょこっとはみ出し者なんですね。ジョージは僕の中に確実にいるんです。ジョージ・インサイド・ミー!
表面的には、無難な恋愛映画にまとまってしまっているんですけれどね、ラストなんかは、だいぶ甘えてると思いますし。「あの絵」は、もっと上手く使えると思いますよ。離ればなれになった二人、彼からもらった落書きだらけの本をめくっていると、自分がたくさん描かれている…とかいいなと思ったけどストーカーちっく?

ジョージは、サリーという子に恋をして、やっぱりびびりながらも、無意味だとしても輝いている「今」を知るんですね。さらに、やりたいことが見つかって、それがうまくいくことから得られる喜びにも触れて、ジョージは変わるんです。映画ではここまで。この先、ジョージは相変わらずビビリながら、ぼちぼち、失敗を重ねて、納得のいく「今」を求めていくのでしょう。

僕、ジョージに置いてかれましたよ。

さて、そんなぼやきは置いておいて、この映画、若手俳優がとてもいい雰囲気を出してます。ジョージを演じるのは、天才子役フレディ・ハイモア。大きくなりました。童顔だけど、ちょっと陰のある表情がよくて、これからがまた楽しみです。ジュリア・ロバーツの姪っ子で、エリック・ロバーツ(この人ちょうかっこいい)の娘のエマ・ロバーツが、ヒロインのサリー役。美しいです。でもスピルバーグの娘、サーシャ・スピルバーグはちょっと残念。目も鼻もスピルバーグっぽいんですね。ちゃんと似てしまったんですね。

では、またお目に掛かりましょう。
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2012-06-19-Tue-18:30

【 ロマンス映画 】 『愛と誠』★★★

『愛と誠』を観てきました。へんな映画でした。
もうひとつ、おかしくなりきれてないので、不真面目な映画という印象も受けました。取って付けたような「へん」だったんですね。僕はこの映画、好きなのですが、もっともっと良くできたろうにと、思わずにはいられないんです。

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ミュージカルもどきの演出はだいぶ…痛々しいかなーと思いますね。昭和歌謡のヒット曲がいっぱい、作品の時代背景を明らかにはしてくれるのですが、滑稽といえばそうなのですが、もう、出オチもいいところなんですね。
何がいけないって、ぜんぶソロで歌唱するところですとか、アレンジがかえって安い音にしてる気がしてならないところですとか…何より、音楽でストーリーを語らないのがダメダメだと思いましたね。テンポを悪くする、どころか、流れを止めてるんじゃないのかしら…って。一青窈と市村正親(ヒロインの両親役)のは良かったんですよ。やっぱり歌のプロですよね。その他はすごく平らな歌唱と小さいダンスが、もう、タレントの隠し芸大会みたいで、こういうのは裏で、打ち上げとかでやって欲しいなと思う仕上がりで、いたたまれませんよ!それに、明らかにも程がある口パクは萎えますね。豪快にスキップしながら細い裏声で歌うとかね、制作の段取りが失敗してるんじゃないかって。発想は面白いのに生焼けで勿体ないです。

強烈、そうなキャラがいっぱい出てくるのに、ちょんちょんとつまんでポイしてる感じがですね、これも、すごく勿体なくて、ダラダラと歌って踊ってしてる間があったらもっとネタを放り込んで欲しかったですね。伊原剛志は老け顔を気にする高校生…で、あとはなんにも膨らまない、これも出オチ。スコット・アドキンスと闘える国際派が。あと、加藤清四郎っていう子役が、僕はキライです。

こうやって書いてると、なんでこの映画が嫌いになれないか、分からなくなってきますね。いや、ほんとに何でしょうね、女の子を容赦なく殴る蹴るするのは、隠れドSな僕にはゾクゾクきたんですけれどね。こういう映画が無くなったら、DVなんかに走るのかもしれないのだとしたら、すばらしい抑止効果ですね。キラー・インサイド・ミーに悩むあなたにおすすめです。

では、またお目に掛かりましょう。
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