--------------:--

【 スポンサー広告 】 スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2012-07-29-Sun-02:02

【 アクション映画 】 『ダークナイト ライジング』★★★☆

『ダークナイト ライジング』を観てきました。
面白い映画ではあったのですが、ちょっとガッカリでした。

Dark_Knight_Rises04 (800x500)

クリストファー・ノーランが描くバットマンは、『X-MEN』あたりから主流になった“悩むヒーロー”を、さらに理屈で縛り付けて僕らの現実に引き寄せているんです。さらに、「正義とは、ヒーローとは」というテーマを問い詰めている。ノーランは構造を練るのがとても上手いのですね。

バットマンとヴィラン(悪役)の関係についての構図が、まずそういえる点です。
ジョーカーに続く悪役として、べインは存在感を発揮できるのか。多くのファンが不安に思っていた点でしょう。僕は、べインは魅力的なキャラクターだと思いました。ムキムキで、バットマンの格闘術が通用しない。これこそ漫画の悪役って感じがしますね。おまけに、頭が切れて、絶大な求心力がある。そして、かつて自らが体験したような絶望を世界に与えようとしているんですね。ただ、人が苦しむ姿を面白がる一匹狼のジョーカーとは好対照。
ジョーカーは、バットマンと背中合わせ、バットマンが登場したからジョーカーが現れた、というような関係。べインは、バットマンと向き合い、どらかがどちらかを滅ぼさねばならない間柄。そう思うと、最終章には最適のヴィランではないかと、思うんですね。

しかし残念なことに、テーマの帰結としての本作を観終わって抱いたのは、ノーランが描きたかったのは、<善と悪><正義と復讐>の曼陀羅であって、熱いヒーロー映画ではなかったのだろうなあ、という印象。三部作の流れとしては妥当なのですが、単体で観ちゃうと、大味なヒーロー映画に終わってしまっているのです。
前作までは、バットマンのアウェー感に「僕は知ってるんだよー!バットマンは悪くないよー!」と、涙ながらにエールを送っていたわけですが、今作では、アウェー通り越してバットマンそっちのけの大混乱に。楽しかったけどライズしませんでした。シンボルたるバットマンにとって薄い反応がいちばんつらい!そんなんなら半端にヒーロー面させないで責めて!僕が泣いてあげるから!そう、僕が観たかったヒーロー映画とはまるで違っていたわけなのです。

それでも、構造はきっちりしているわけですから、もっと面白くすることは容易なはずなのです。何がいけないって、ノーランは表情をとらえるのが非常に下手くそなんですね。
もう、文字通りちゃんと表情に焦点を当ててあげるだけで、ずいぶんマシになると思うんです。それくらい、綺麗な設計図に満足した「流れ」作業。ジョーカーは前作『ダークナイト』で退場してしまいましたが、ジョーカーのお口ばりのつぎはぎ映画が出来上がってしまっているのですね。前作までよりも焦った語り口が、余計にその弱点を目立たせてしまっています。擬音のない稲川淳二の怪談みたいな感じですか。ただの早口。3時間弱の上映時間をあっという間に感じさせる密度は素晴らしいのですけれども。

でもあれは興奮しましたね。今作は昼間のアクションが多いので、ガジェットの細部まで見えるんです。それで、バットポットのタイヤの横ローリングは、たまらなく格好良かったですよ。

とにかく表情。表情どーん!が足りないんですね。せめて終盤だけでも例えば。
(以下、ネタバレ、にはなってないと思うのですが、
展開に察しが付くだけでも嫌な人は薄目推奨です
でもそういうあなたはたぶん予告編で十分お察しです)

*****
正義。警察官や兵士だけじゃなくて、子を守る親、友人を助ける一市民が、正義を成し得るんです。
べインが仕掛けた未曾有のテロによる絶望と混乱の中、人々は孤独に戦うバットマンの姿を目にして、その胸の中の正義に確かに触れるのです。

「俺たちにはバットマンがいる。」
Dark-Knight-Rises01.jpgどーん!

そして、悪が巣食うゴッサムシティに革命が起きる。
「バットマン、俺たちもついてるぞ。」
「こんな、馬鹿な!」

Dark-Knight-Rises03.jpgどーん!

光の陰にある深い闇を抱え込んできたゴードンが声を上げる。
「彼は、ヒーローなんだ。」

Dark-Knight-Rises02.jpgごーどーん!

ついに、ダークナイトは、悪と恐怖に打ち勝つシンボルに生まれ変わる。
余韻がずーん。
*****

そんなライジングが観たかったのです。

ゴードン、特報の死にかけ姿(上の写真)は仮病かよってくらいムキムキの活躍してましたね。もっと心配させてよ!と思いましたね。ばか!でも好きだ!しかしべインがプロレス技の一つでもかましてくれていれば、病床に伏せって語りで泣かせてくれたのかもしれない。そういえばゴードン、前には出てくるけどイチ刑事の立ち位置で特別オイシイわけではない。と思うと、やはりべインは悪いやつです。

では、またお目に掛かりましょう。
スポンサーサイト
2012-07-23-Mon-20:51

【 アニメーション映画 】 『おおかみこどもの雨と雪』★★★★★

細田守監督の新作アニメ『おおかみこどもの雨と雪』を観てきました。これはすごい映画でした。

おおかみ男と恋に落ちた花が授かったこども、雨と雪は、おおかみこどもで。というお話。人間とおおかみ、両方の顔を持つおおかみ人間という設定はファンタジーのようで「特別な存在」のことを指しているように思えたんです。うちの子は他の子と違うから不安だわ!という。なのでこれは、とても現実的な、子育ての物語なのです。

ookamikodomo01.jpg

子育てドラマ、といっても、子が生まれてくるまでの期待と不安まで丁寧に綴っていたことが印象的で、この時点で、作品の方向性にピントを合わせることができたように思います。また、全編にわたって、台詞で語りすぎず、人の細かい所作だけでなく小道具、風景を有効に使った状況説明もあって、時折、「これそういえばアニメだった」とハッとするようなリアリティーがありましたね。

親になるということ。それを、親になる予定がしばーーーらくない僕に感じさせてくれます。本筋は、花の子育て奮闘記ですが、さらに、雪の語りが随所に入り、親から伝え聞いた話という体を成しているので、この映画はまだ親になっていない僕たちの目線にもなってくれているという親子で是非!な目配せもあって、とてもよいです。でも並んで観賞するというより、それぞれ別に、自分の親子関係を投影してみてはどうでしょう。うちはネグレクトもいいところでした、などの理由で僻んでしまう人や、子育ては人生の牢獄だと思わずにはいられない親御さんは、別の映画を観てはどうでしょう。

親が子にしてあげられることは、多くない。花はそう感じたのかもしれないけれど、子供は多大な恩恵と、影響を受けて育っているんですよ。ここでも、姿を選べる「おおかみ人間」という設定が、子供が成長し自ら選択する場面で生きてくるんですね。花はすごいお母さんですよ。この映画もどえらいですよ。

エンディングは細田監督が作詞を手掛け、親の想いを、この映画を、本編で無駄な台詞を廃していた分が溢れたように語っています。ふと、親のことを考えて、大変だったんだなあ、感謝しなきゃって。そうしたらなんだか、涙が出てきましたね。どんなだめなところ見せつけられても、親っていうのはやっぱり偉大だなあと、思いますね。

親子で観るなら、単純に楽しい『メリダとおそろしの森』かなあと思うのですけれど。ほんと良い映画でした。
では、またお目に掛かりましょう。
2012-07-23-Mon-01:13

【 アニメーション映画 】 『メリダとおそろしの森』★★★★

ピクサー最新作『メリダとおそろしの森』を観てきました。

吹き替え版で鑑賞したのですが、AKBの大島優子が主人公のメリダにぴったりはまっていて、良かったですね。ピクサーの毎度の天才的なキャスティングまでもが秋元康の毒牙にかかってしまったのかと、失望しかけていたのですが、そこは世界一のアニメーションスタジオ、品質管理が徹底しています。メリダはディズニーヒロインの清さから半歩ずれた品のなさがある子で、その雰囲気と声がぴったりマッチしていました。あんまり抑揚をつけて話すのが上手すぎても、ちょっと違うんじゃないかなと思うんですね。いや、声に品がないとか、下手だと言っているわけではなくて。本当に、上手に、メリダになりきってましたよ。

meridao1.jpg

お話はというと、自由気ままでいたい王女メリダと、娘を立派な女王に育てたいお母さんのけんか。
僕は正直メリダはそんなー悪いことはーないでしょうよーと、思っちゃうわけなんですが、それは、ええ、長い物には巻かれろという言葉はありますが、才あるメリダには別の運命を切り開くことも、許してくれてもいいではないですか。いい子じゃあありませんか。お母さんにわけの分からないものを食わせちゃったことは、大いに反省してもらいたいところですけれども。いざとなったら家族のために勇気を振り絞れる、ほらやっぱりいい子ですよ、お母さん、ねえ、いえね、お母さんも悪くないんですよ。素晴らしい女王で妻で母親ですよ。ああ、メリダも気が付きましたか。反省してますか。ええ、お母さんも、そうですか。いやあ、よかったです。お母さんよく見ると色っぽい。色っぽいよ!お母さん!!
という具合ですよ。一番近いのに遠い、親子の間柄がよく表れてて、誰が絶対悪だっていう描き方をされていなかったのは、より近さを感じられるところで、それに、親子のドラマに集中させるという意味でも、後腐れのなさという意味でも、さっぱりしてて良いと思いましたね。その外じゃ戦争が勃発しはぐっていたみたいですけど。

でもね。「勇気の物語」っていうと、なんだかぼやけるんですよ。原題と、ナレーションからするに、主題はそこなんですね。でもこれ、どっちもどっちのイーブンになっちゃったけんかの話でしょ。歩み寄れば分かること、についての話ではなかったのかしら。って、思ったんですね。
でも王道の盛り上げ方にまんまと乗せられて涙絞られたりしてるんだから、ええ、たいへん楽しかったのです。

メリダがちょこっとだけ大人の事情を考えるようになった後のエンドロール、大人の事情なのか、俺たちファミリー!な温かさなのか、スティーヴ・ジョブズへの哀悼コメントに始まり、製作に直接関わっていない社員から、製作期間に生まれたのかな?赤ちゃんの名前までクレジットされて大賑わいでしたね。すごい密度ですらずらーっと長いんですけど、素晴らしいスコアでカバーされていました。…でも異様でしたね。

では、またお目に掛かりましょう。
2012-07-17-Tue-05:30

【 ドラマ映画 】 『アメリカン・ビューティー』★★★★★

とても素晴らしい映画を観ました。サム・メンデス監督の『アメリカン・ビューティー』です。2000年にアカデミー賞5部門を受賞してます。

主人公のレスターはさえない中年サラリーマン。彼が1年以内に死ぬ、というナレーションから映画は始まります。家庭も仕事もボロボロで、へらへらと媚びてなんとか均衡を保つので精一杯、唯一の楽しみは朝イチのオナニー。レスターはすっかりくたびれていました。そんな中、娘の同級生の美しさに心がときめきます。それから、レスターは活力を取り戻していくのですが、これまで保ってきた均衡は崩れ…というお話。

americanbeautypic00.jpg

媚びることをやめたレスターから溢れるエネルギーが痛快。ばかっぽいところがほとんどなのですが、変わりたいと思う人になら、共感を呼ぶであろうピュアな力強さがいいですね。ビューティーに魅せられて、心が動くならば、人生は錆び付かない。生きる力は、感動から生まれるということが、テーマになっていると思うんです。
でも、その躍動が長続きしないことも、映画は言っているんですね。人生は、あくまで些細な感動の積み重ねなのよ、と。そうして、退屈な日常にポジティヴな眼差しを向けてもいるんです。明日頑張れる、そのくらい思えるものが時々あれば、それが、愛おしい人生の形を成していく。今は気付かないかもしれないけど、そのうち。そんなところが独創的で、刺さってきましたね。

このドラマのほかに、レスターはこの後、なぜ死んでしまうのか?という謎解きも加わってくるんですね。事故?自殺?それとも殺されるのか?しかも、みんながみんな、怪しくなってくる。うまいなぁと思いました。テーマ構築だけじゃなくて、破綻した家庭事情をスリリング且つユーモラス描いたエンターテイメントになっている。これがすごいんです。ほんとうに、ただ楽しい。どうしようもない悲劇になりそうなところを、嘘っぽくせずに。
そうして、『アメリカン・ビューティー』は、僕のビューティーになり得たわけです。明日頑張れる、と思える力をくれる映画だと思います。おすすめです。

ではまた、お目に掛かりましょう。
2012-07-14-Sat-18:25

【 コメディ映画 】 『おとなのけんか』★★★★☆

『おとなのけんか』は、「子供のけんかに親が出る」という言葉をそのまんま映画にした、ほとんど1室内で進行する、80分の濃厚な会話劇。すごく良かったです。

その輪の中に入り込んで一言もの申したくなるのは、雰囲気作りのうまさなのだと思います。
やったやられた、柔と剛、さらには男と女。それぞれの立ち位置の違いを、絶妙な噛み合わせ(の悪さ)で。場がピリピリしてきて、あらぬところに矢が飛ぶようになるのが、いいですね。自分は誰タイプなのか、当てはめながら観るのも楽しいかも知れません。

otonanokenka01.jpg

『イングロリアス・バスターズ』のハンス・ランダ大佐ことクリストフ・ヴァルツが、またデザートの食べ方が嫌らしい人を演じてて、楽しかったです。
ヴァルツが演じるのは、仕事の外のことはぜんぶ他人事、のマイペース、自己中男。はじめは登場人物の中でいちばん、ナンダコノヒト!って思ったのに、最終的には、こいつに肩入れしたくなったのです。僕、頭に血が上って大声出しちゃうの、みっともないし五月蠅くて、嫌なんですね。このヴァルツお父さんは、言いたいことは言うというか、チクチクさし込んではくるのですが、あくまで静かで。たいへん理屈っぽいのですが、理屈が通じないくらい興奮しちゃうママさんよりかは、いいんじゃないかと思ったのですね。まわりがギャーギャー騒ぎ始めてからは、この人がさっとカウンターを打つたびに「いいぞもっとやれ!」って思いましたもんね。「大人の喧嘩」は、A GAME OF SHADOWSであるべきだと、思います。言ってる自分でもわけがわかりませんが、今、ぽーんと出てきたのでそのまんま残します。いやぁ、ぴんとこない。理屈は大事ですね。ヴァルツお父さんは、表面を取り繕うとする努力はしないので、お友達はいちばん少ないタイプだなぁとは思うのですが、自分が大好きでもあるので、そんなのは問題ではないのですね。この人は打たれ強いですよ。
ジョン・C・ライリーの、みんなに味方しようとしちゃうようなキャラは、こういう人こそ煽られ耐性がありそうなのに、よっぽど疲れちゃってたのかなぁ、すぐに崩れちゃいましたね。大人でいるのはたいへんですね。

では、またお目に掛かりましょう。
HOME NEXT
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。