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2012-08-28-Tue-18:15

【 コメディ映画 】 『PROJECT X』★

『人間の根っこはチンカスだ。
ヤリたい、呑みたい、愉しみたい動物だ。
しかし学習することで、礼節という仮面を被ることはできる。
ゴムをしろと言ってるんだバカチン。』
――――――――――――――――――『荀子』性悪篇より


『PROJECT X』という映画を観ました。地味な男の子グループが派手なパーティを企画するお話。空回り感が泣けてくる青春映画になりそうなところですが、ネットとかを駆使して大きく宣伝したらとんでもない騒ぎになっちゃった、という。ネットの時代は万事万里を走るといった様相ですね。

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主人公が控え目な青年なのですけれど、そんなのは負け犬奮闘映画(よく、ボンクラ映画、なんて言い方されますね)が好きな映画オタクへの目配せ程度のものなんじゃないですか、っていうくらい、ただただバカ騒ぎ。悪友にそそのかされるがまま、ドラッグ、乱交、破壊、近所迷惑もかえりみない大騒動を巻き起こします。
ボンクラというのはボンヤリしていて芯がないからこそなので、目の前に酒と女があれば欲望に流されてしまうんですよ。普段はバカ騒ぎしてる輩を横目に見て陰口たたいてるくせに、頭の中は「俺もあっち側だったらなあ!セックス!してぇなあ!お、おおおお、おっぱい!」なんですね。ぼ、僕は違いますって。芯を見せろって、そんな恥ずかしいですわ!

なので、うまくいっちゃうボンクラ映画というのは、汚い!

あっさりパーティー始まっちゃうから、ひたすら酔っ払いを映し続けるホームビデオなんですね。『ハングオーバー!』(愛嬌が無い『ゾルタン☆星人』)みたいな伏線や奇想天外さがあるわけでもなくて、いつになっても猟奇殺人鬼が乗り込んでこない!なんて常識のない映画なのでしょう。
映画本編が始まる前に「絶対に真似はしないでください」というテロップが出てきて、神経質だなぁと思ったのですが、なるほど本編では彼らの愚行は反省も批判もされない(批判の声はあるけど「なにマジになってんの」という空気)。しまいには、伝説だとか、ほざきよるのですね。はりたおすぞ。

この映画は「青春映画が観たい」という人にとっては汚れすぎてて、「すげーバカ騒ぎを見てみたい」という人にとっては夢が無いと思いましたね。裏庭にギューギューに人が集まったから、何だっていうんですか。誰なんですかこのひとたちは。

そんなわけで本作は僕のオールタイムワースト。胸くそ悪いったらないです。
えっなに風俗?いかないよばかやろう!

では、またお目に掛かりましょう。
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2012-08-27-Mon-06:30

【 コメディ映画 】 『ザ・マペッツ』★★★★★

『ザ・マペッツ』という映画を観たのですけれどね、いやあ、笑って泣けて最高じゃあないですか。マペッツというのは、ジム・ヘンソンという人形技師が作り上げたマペット(パペット×マリオネット)キャラクターたちのことで、僕はテレビ番組の『セサミストリート』くらいしか知らない(おまけに『セサミストリート』のキャラは出てこない)のですが、とても楽しめました。

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人間とマペットが共生しているという設定の世界で、ゲイリー(人間)とウォルター(マペット)仲良し2人組を中心に物語は展開します。冒頭、マペットは人間と違って、大人にはなれない、という悲しい現実が語られます。
ゲイリーが大きくなるのにウォルターは変わらない。みんなが小さかった頃は馴染めていたのに、いつの間にか居心地が悪くなっていく。ウォルターにとっての安らぎは、大人になっても変わらず優しいゲイリーと、マペットのグループ“ザ・マペッツ”が活躍する番組『マペット放送局』だけなんです。番組はずいぶん前に終了したのに、ビデオに撮ってある『マペット放送局』を何度も繰り返し繰り返し見て「わはは…」……ああ、悲しい!
ほとんど被差別人種みたいな描かれ方してて、ウォルターの間抜けな表情が切なく映って、ばかやろう、玩具に飽きるのとは違うんだよ、マペッツは、生きてるの!なんだかもう、この冒頭だけで泣かされますよ!

また、「大人になれない」というのは、独り立ちできない、居場所を見付けられないという、内面についても言えるのです。それは、いつもウォルターと一緒に遊んでいるゲイリーも同じなんですね。これは、彼らが自分の居場所を見付けるまでのロードムービーになっているんです。また、かつてテレビ番組で人気を博し、今では忘れ去られた“ザ・マペッツ”の再起の物語にもなっているので、マペットのギャグで子供は大喜び、大人はさらに、哀愁と歓喜に満ちたストーリーに鼻水を垂らすのです。ディズニー映画は懐が深い!

それにしてもマペットの破壊力はすごいですね。画面に溶け込むように撮れば撮るほど、その滑稽な違和感が気持ち良いです。見てるだけで楽しくて楽しくて。もちろんそれだけじゃなくて、会話劇もミュージカルも。アダルトなコメディの印象が強いジェイソン・シーゲル(ゲイリー役)の爽やかな演技。彼が脚本も書いてますし、ほんと器用ですね。

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豪華ゲスト俳優のオイシイ活躍も楽しい本作(本人役でひどい目に遭うジャック・ブラック、一瞬しか映らないけど分かるデイヴ・グロール(フー・ファイターズ)、厚化粧が似合うドジッ子エミリー・ブラントクリス・クーパーがノリノリで歌うラップ!)、誰にでもおすすめできる良い映画だと思います。

では、またお目に掛かりましょう。
2012-08-24-Fri-22:03

【 ホラー/オカルト映画 】 『遊星からの物体X ファーストコンタクト』★★★★

新作映画『遊星からの物体X ファーストコンタクト』を観てきました。
ジョン・カーペンター監督の傑作ホラー『遊星からの物体X』(1982年)の前日譚です。怖かった!

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南極の基地をエイリアンが襲うお話なんですけれど、エイリアンが人間の中に潜んでその人に成りすましているという設定なんです。この中に化け物がいるのかもしれないっていう疑心暗鬼の状況が生まれて、王道のドッキリとか、対決シーンの外にも緊迫感が充満しているのが素晴らしいです。観客にも各キャラの不審点を探らせたり不安を煽るような、間や誘導が絶妙に機能していて、とてもスマートな映画だと思いました。

それに、クリーチャーデザインなんですが、これがとてもいい!すごいブリッジした体勢の人のお腹から虫の足みたいの生えてたりするんですよ。「人の部分を多く残す」というグロテスクさ。造型の現実味からの距離感っていうんですか、あれくらいが、いちばん気味悪くていいと思いますね。

いちばんウオー!って思ったのはテロップのフォント。ゾクゾクしましたね。あのフォント好きですよ!それに合わさって、エンドクレジットの入り方がちょっと洒落てるのと、カーペンター版への繋げ方も完璧で、拍手をあげたいです。やー、良かったですね。

「みんな顔に落書きしましょう!エイリアンもそこまでは複製できないわ!」
「おれたち助かるかもしれないけど絵面が死ぬ!」

というしょーもないくだりを思い付いたのですけれどね、実はすごく有効な対策だと思いますね!女の子はちょう厚化粧しとけば大丈夫そうなので、やっぱりホラー映画なシチュエーションでは女の子が強いですね。

では、またお目に掛かりましょう。
2012-08-13-Mon-23:44

【 ドラマ映画 】 『桐島、部活やめるってよ』★★★★★

今年は邦画に勢いがあっていいですね。大好きな吉田大八監督の最新作が公開したので観てきました。『桐島、部活やめるってよ』です。
キャラクターのいびつな部分に寄って掘り下げる手腕と、クライマックスの劇的な演出は今作でも冴えていて、たいへん面白かったです。

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「バレー部のキャプテンの桐島が部活をやめる」という噂が校内を駆け巡り、桐島不在で事の真相が不確かなまま、生徒たちの間で変化が起こっていく。というお話。

高校の中で形成されるヒエラルキーが細かに描写されていて、みんなにとって桐島がどんな存在なのか、それぞれの立ち位置からの捉え方が興味深いです。キャラクターの誰がしかに、自分を当てはめることができるんじゃないでしょうか。帰宅部の人たちがつるんで帰るのに、映画部の前田は一人で映画を観に行ってるとか、そうですね、そうですよね、とか思っちゃいます。会話や行動パターンの細部にリアリティが盛り込まれていて、思わず顔がニヤけてしまったり、ひきつってしまったりしましたね。
同じ時間帯をリピートする演出は、だるい繰り返しにはなっていなくて、主な視点に据えられたキャラクターの個性が掘り下げられていくので、パズルのピースのように組み上がっていくように感じて気持ち良いです。

あと、帰宅部の菊池の人物像と、「できる奴は何でもできて、できない奴は何もできない。」という言葉は、胸に巣くいますね。ああいうキャラにスポットが当たるということが、まず珍しいと思しましたし、良かったと思いました。

菊池は、爽やかなルックスで、友達もそれなりにいて、見た目そこそこな彼女もいる。何をやっても人並みかそれ以上にできるのに、突き抜けたものを発揮するには至らなくて、没頭もできない。ハイクラスな器用貧乏なんですね。流され流され、そんな自分に納得がいっていない。求めるもののレベルは、たぶん高いんですよね。もどかしい。菊池はどうしても桐島のようなスターにはなれないんです。いつも、その後ろにいるんだと思います。

菊池は、「何でもできる」けど「何にもできない」んですよ。

桐島に、菊池は何を伝えたかったのでしょう。「ふざけるな。みんながお前のようになりたくても、なれないんだぞ。」と、きつい言葉をぶつけるかもしれません。
または、「戻ってきてくれ、みんなが待っているうちに。」と、野球部をやめて、本当の居場所が見つからない自分の立場からの言葉を投げかけるのかもしれません。

僕がいちばん立ち位置が近いのは映画部の前田なのでしょうけれども、僕の中で、主人公は帰宅部の菊池だったのですね。菊池、かっこいいよ!悩んで、もっと悩んで、なりたい自分を選ぶんだよ!僕みたいには、なるな!

学生だったことのある人におすすめです。では、またお目に掛かりましょう。
2012-08-10-Fri-17:27

【 SF映画 】 『トータル・リコール』★★★★

今日は『トータル・リコール』を観てきました。コリン・ファレルが大好きです。

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監督は『ダイ・ハード4.0』レン・ワイズマン監督ということで、CGを多用しながらも、肉弾アクションを基調としているあたりがたまらないですね。
俯瞰なんだけど、自分も振り回されるような、主観的カメラワーク。「的」というのがミソですね。カメラがとにかく動く。俳優が落っこちると一緒に落っこちる。おっとっと助かった。カメラはちょっと遅れてブレーキ。みたいな。分かりにくいですね。なるべく寄りながら、ダイナミックなアクションを殺さない感じ。たいへんうまいんです。

…という、これは予告編だけ観て書いた感想なんですね。
じゃあ本編はどうだったのかしらと、言いますと、これを密度そのままで2時間に引き伸ばしたノンストップ・アクションの快作でした。ややドライでクセがないところは、シュワちゃん×ヴァーホーヴェン監督の悪趣味とブラックジョークが炸裂する90年版に比べて食い足りないという人も出てくるでしょうけれど、それを補って余りある力がある映画だと思いますね。僕もシュワちゃんの『トータル・リコール』は大好きなんですけれどね、ほとんど同じ話なのに、まるで別物の良さがあるのが良いんですね。
あと、コリン・ファレルが大好きです。太眉!

物語の舞台は、核戦争後、富裕層と貧困層の居住区が完全に隔離された未来。富裕層が暮らすのは、磁力で浮く車専用の高速道路が整備されてたりして、今作と同じ原作者フィリップ・K・ディックの映画『マイノリティ・リポート』みたいな都市。貧困層が暮らすのは、富裕層の住む都市とは地球の裏側の位置にあたるところで、高層アパートにネオンの看板、不衛生なイメージがこれまたディック原作の映画『ブレードランナー』を彷彿とさせます。貧困層の労働者は、地球の内側を通る「フォール」という乗り物で富裕層の都市まで出稼ぎに行っているんです。

格差社会の象徴みたいな物がずらっと並ぶ設定なのですが、そういう社会派なドラマには踏み込みません。都市設計は凝っているんですけれど(どっかで見たことはありますけれど)、住人の声がまるで聞こえてこないのは、さすがにないがしろにしすぎちゃったかなぁとは、思いますね。

でも、この都市設計を十二分に生かしたアクションはとても素晴らしいです。富裕層の都市ではSFSFしたインフラに振り回されながら、貧困層の都市では増築しまくりの高層住宅を駆け巡るチェイス。「フォール」内部における戦闘シーンでも、その特性を利用した見せ場があります。悪役が女性(ケイト・ベッキンセール。ワイズマン監督の奥さん)で、こんなにしつこくて強いのは珍しいので、その辺も印象的で良かったですね。ワイズマン監督は、奥さんをこんなに怖く撮るなんて、どういう事情があるのでしょうね。

ところで、今作にある「記憶を買う」というのは、これって、どこまで自分で区別できるんでしょう。映画の中でさえ、ここからが偽の記憶だとしたら、というIFに惑わされる箇所がいくつかあるのに、これが主観ならば猶更、分からなくなりますよね。
自分はかつて地球の危機を救ったヒーローだ、とか、すげーモテて愛人が掃いて捨てるほどいる、とか、記憶を買って「体験」してあぁいい気分!で終わればいいんですけれどね、過去の輝かしい「記憶」に押しつぶされたり、大きなこと言っちゃって周りから白い目で見られたりするのかもしれないなーと思ったら、すごい技術なのに劇中ではイマイチ流行してなかったように映ったのも頷けますね。ちょう自己完結の自己満足。「自分の記憶とダブる記憶は買えない」という制約は、その辺りに配慮しているんでしょうね。未来の人たちは、飛び抜けて良い思い出を「もしかしてリコール社製なんじゃね?」と疑ったりするのかもしれません。

そんなふうに考えていると、なんだか、第三者目線が欠如している今作は、序盤からぜんぶ「偽の記憶」なんじゃないか。なんて受け取りたくもなりますね。

別人になったような体験をしたいなら、映画を観る、これで十分じゃありませんか。
『トータル・リコール』のチケットを購入することで、あなたは120分間、スーパー太眉諜報員(スーパーは「太眉」「諜報員」の両方に掛かります)に!

では、またお目に掛かりましょう。



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